今回は建売はやめとけ?安い建売は恥ずかしい?と不安に思っている人へ、一級建築士が解説していきます。
建売住宅って似たような外観が安っぽいイメージよね。住んでから後悔したり恥ずかしいと思うのはイヤだな・・・。
人生で一番高い買い物と言えるのに、既製品を妥協して買ったように思われてしまうのが建売住宅です。
しかも、安い建売はやめとけという声をよく聞きます。
そこでなぜ「やめとけ」と言われるのか、住んでいる人が実際恥ずかしいと思う理由は何かを調べてみました。
建売住宅を買うかどうか迷っている人は、後悔しないためにもぜひ参考にしてくださいね。
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- 資格:一級建築士
- 仕事:元ゼネコン設計部
- 学歴:京都大学大学院工学研究科建築学専攻 修了
- 趣味:ハウスメーカー巡り
建売はやめとけ?恥ずかしいと思う理由とは
安い建売は恥ずかしいしやめとけという意見は、SNSでもよく見られます。
せっかくマイホームを手に入れたのに恥ずかしいと思うなんて、すごくもったいないですよね。
建売住宅で恥ずかしいと思う理由について調べたところ、大体以下の3つに分類されます。
- 既製品というイメージ
- 安いというイメージ
- 低品質というイメージ
確かに注文住宅に比べれば実際安いし、間取りなどにもこだわりがないように思われがちです。
住んだ人が恥ずかしいと思う理由を一つずつ解説していきますね。
恥ずかしいと思う理由①既製品というイメージ
建売住宅は恥ずかしいと思う理由1つ目は、既製品というイメージがあることです。
すでに建てられた住宅は間取りや外観の自由度がなく、見た目も同じようなデザインに見えてしまいます。
キッチンもバス・トイレまわりもすべて同じようなつくりですから、大量生産品みたいですよね。
さらに住宅性能に関しても、全館空調やエコ住宅・IoTなどに対応できないことも多いです。
「住むのに最低限必要な設備のみ」というイメージが、恥ずかしいと思う理由になってしまいます。
恥ずかしいと思う理由②安いというイメージ
建売住宅は恥ずかしいと思う理由2つ目は、安いというイメージがあることです。
建売住宅は、建築資材や住宅設備などを大量注文しているメリットとして低価格を実現しています。
品質には問題なくても「安物を使っている」というイメージから恥ずかしいと思ってしまうのです。
設計士の人件費も節約しているのでデザイン性も乏しく、当たり障りのないのも安っぽく感じるでしょう。
「使用建材もデザインもコスト削減」という安さが悪目立ちして、恥ずかしいと思う理由になっています。
恥ずかしいと思う理由③低品質というイメージ
建売住宅が恥ずかしいと思う理由3つ目は、低品質というイメージがあることです。
- 大量注文で一括購入した資材・・・ごく一般的な資材
- 最短工期と最低人数の現場・・・施工不良やチェック体制の甘さ
- 断熱性能や耐震性・・・国の標準レベル
高級な木材や腕利きの職人などを必要としない安い建売は、建材も施工技術も低品質と判断されがちです。
決してそんなことはないのですが、品質にこだわりのない家と思われ恥ずかしいと感じるようです。
安い建売は恥ずかしい?建売住宅のデメリット
建売住宅だとどうしても感じてしまうデメリットがあります。
住んでみて不便なことやあらためて実感することなどまとめてみました。
- 見た目が同じ
- 間取りなどの自由度がない
- 工事中のチェックが出来ない
- 使い勝手が悪い
- 最低限の設備しかない
- メンテナンス費用がかかる
安い建売はやめとけと言われるポイントでもあるので、丁寧に解説していきます。
建売住宅のデメリット①見た目が同じ
建売住宅のデメリット1つ目は、見た目が同じだという点です。
狭いエリアに何棟も建てられた住宅はどれも似たような外観で、いかにも建売という印象ですよね。
個性的な注文住宅と違い、安っぽさやこだわりのなさが強調されて恥ずかしいと思ってしまう人もいるようです。
万人受けする無難なデザインは画一的で、無個性と見られてしまいます。
安い建売はやめとけと言われる理由は、いかにもコスト削減した見た目が恥ずかしいと感じるからです。
建売住宅のデメリット②間取りなどの自由度がない
建売住宅のデメリット2つ目は、間取りなどの自由度がない点です。
すでに完成された住宅なので、リビングやキッチンを広くしたいという希望は通りません。
家族構成や子供の成長に合わせて間取りを考えたいですよね。建売住宅でも施工途中のものを購入する場合は、要望を伝えられることもあります。でも大きな変更はほぼ無理だと思ったほうがいいですね。
家の中だけでなく外観も決められているので、個性を出した見た目も望めません。
安い建売はやめとけと言われる理由は、型通りの完成品を受け入れるしかないという点です。
建売住宅のデメリット③建築中のチェックができない
建売住宅のデメリット3つ目は、建築中のチェックができないという点です。
注文住宅なら職人さんの態度や現場の雰囲気などがチェックでき、実際見ることで手抜き工事の防止にもなります。
建売住宅の場合、基礎工事・壁の断熱材・床下・天井などその時の状態や作業内容について現場監督から説明を受けることができません。施工不良がないかどうかチェックできないのは大きなデメリットです。
建てる前の土地の状態も確認できないし、突貫工事並の作業工程だと品質が大丈夫か不安になりますよね。
安い建売はやめとけと言われる理由は、完成までの流れを全く把握できないからです。
建売住宅のデメリット④使い勝手が悪い
建売住宅のデメリット4つ目は、使い勝手が悪い点です。
ここに収納がほしい・生活動線が悪いなど、実際住んでみると使い勝手の悪さはストレスになります。
住んでみてどうしても気になるなら、リノベーションするというのも一つの方法です。できる範囲ならDIYで少しずつカスタマイズしていくのもいいですよ。
ライフスタイルに合わない住宅は、家族の生活リズムにも影響が出ます。
安い建売はやめとけと言われる理由は、自分たちの生活を家に合わせる窮屈さを感じるからです。
建売住宅のデメリット⑤最低限の設備しかない
建売住宅のデメリット5つ目は、最低限の設備しかない点です。
多くの場合エアコンや照明などはついていないので、契約後自分で手配しなくてはなりません。
断熱性や耐震性も国の標準レベルが一般的です。地域によっては「夏暑すぎる・冬寒すぎる」など性能面でも最低限なので、後悔している口コミが多くありました。
なるべく費用を抑えようとして建売住宅にしたのに、住んでから思わぬ出費があります。
安い建売はやめとけと言われる理由は、値段に見合った設備しか完備されていないからです。
建売住宅のデメリット⑥メンテナンス費用がかかる
建売住宅のデメリット6つ目は、メンテナンス費用がかかる点です。
注文住宅のように屋根材や外壁などに最初からいいものを使えば、それだけ長持ちするし手間もかかりません。
セルフクリーニング機能付きの外壁や耐久性に優れた屋根材など、高性能の建材はその分メンテナンス費用が安く済みます。
そうではない建材の場合は10〜15年ごとに張替えや塗替えなどのために、結構高額な費用がかかってしまいます。
安い建売はやめとけと言われる理由は、ごく標準的な性能を維持するためにかえってコストがかかるからです。
建売住宅のメリット
これだけデメリットがあると「やっぱりやめたほうがいい?」と心配になりますよね。
でも建売住宅のいいところだってたくさんあるんですよ。
建売住宅ならではのメリットをまとめてみました。
- 価格が安い
- 土地と建物がセットで買える
- 実物が見られる
- 打ち合わせが少ない
- すぐに引っ越せる
- 近所同士統一感がある
- 意外と後悔しない
注文住宅との一番の違いは、実物を見てから買えるという点です。
注文住宅の場合、出来上がってから「思ったより狭い」「イメージと違う」などの後悔はよく聞かれます。
その点最初から割り切って買っている建売住宅なら気にならないし、多少ならカスタマイズも可能です。
価格や時短などこだわりが違うというだけなので、自分たちの価値観を大切にするのが一番ではないでしょうか。
建売住宅で後悔したことと後悔しないための対策
建売住宅を購入して後悔している人は実際一定数います。
具体的に何が後悔するポイントだったのかというと、
- 収納が少なかった
- 追加工事費がかかった
- 日当たりが悪かった
- 立地条件や環境が悪かった
- 不具合が見つかった
安い建売はやっぱり後悔するというリアルな意見と具体的な指摘が多かったです。
そこで、一つずつの解説とともに対策も合わせて紹介していきますね。
収納が少なかった
建売住宅で後悔したこと1つ目は、収納が少なかったことです。
クローゼットがなかったり、トイレやお風呂まわりに収納がない場合もあります。
後悔しない対策:収納スペースと荷物の量を把握し、必要なら吊り棚などを検討する
意外とあるのが駐車場に関する後悔です。必要台数分なかった・車が入らなかったなど実際あります。車止めの位置や荷物の出し入れのスペース、エアコン室外機を置く場所や隣との距離などもチェックしてください。
追加工事費用がかかった
建売住宅で後悔したこと2つ目は、追加工事費用がかかったことです。
意外に思うかもしれませんが、建売住宅には標準仕様に含まれない設備がいくつかあります。
エアコン・照明器具・テレビアンテナ・カーテンレール・吊り棚・網戸など
営業マンに確認したり写真を見てチェックしたら、買い足したり工事の手配が必要になります。
採寸・取り付け・在宅での立ち会いなど、予算以外にも手間がかかることなので早めに対策してください。
後悔しない対策:事前に標準仕様をチェックし、必要な予算とスケジュールを確保しておく。
引っ越したときから快適に住むために、エアコンやカーテンレールなど工事が必要なものは早めに予約を入れましょう。設置する場所や個数によって費用も変わってくるので、もれなくしっかり確認してください。
日当たりが悪かった
建売住宅で後悔したこと3つ目は、日当たりが悪かったことです。
見に行ったときは気づかなかったけど、住んでみたら1階には全然日が当たらないなどはよくあります。
後悔しない対策:日の当たり具合を確かめるため、時間を変えて何度も行く。
日が差してくる方角やまわりに障害物がないかなど、直接現地に行って見てください。
今後近くに高い建物の建設予定がないかも調べておくといいですよ。
建売住宅は狭いエリアにキツキツで建っていることが多いので、日陰になる場所が多くなりがちです。生活のペースを考えて、家で一番長くいる場所がどのくらい日当たりがいいのかはとても大切です。
立地条件や環境が悪かった
建売住宅で後悔したこと4つ目は、立地条件や環境が悪かったことです。
病院やスーパーが遠かった・最寄り駅までは近いけど急な坂道だったなど、図面ではわからないこともあります。
後悔しない対策:図面だけでなく現地に足を運ぶ。
昼と夜・平日と休日で雰囲気が変わることもありますし、ハザードマップではどうかなども重要です。
環境は住んでからでは変えられないので、事前にきちんと確かめましょう。
音問題に関しても後悔する点として多いです。隣の家が近すぎたり道路がすぐ横を通っていたりすると、外からの音が気になりストレスに感じます。窓を開けてみたり距離感を確認しておいて防音対策もしっかり取りましょう。
不具合が見つかった
建売住宅で後悔したこと5つ目は、住んでから不具合が見つかったことです。
細かい施工不良や家の傾き、カビやシミ・ひび割れなどの報告もあります。
後悔しない対策:売買契約前にホームインスペクションで不具合をチェックする
ホームインスペクションとは、住宅診断の専門家がその住宅の構造や施工不良などを調査するものです。基礎や屋根裏・家の傾き・水漏れなどを第三者目線で見てもらえます。
建売はやめとけ?安い建売は恥ずかしい?一級建築士が解説まとめ
今回は建売はやめとけ?安い建売は恥ずかしい?などの理由とその対策を一級建築士が解説してきました。
安い建売はやめとけと言われる理由をもう一度おさらいしてみましょう。
- 見た目が同じ
- 間取りなどの自由度がない
- 建築中のチェックが出来ない
- 使い勝手が悪い
- 最低限の設備しかない
- メンテナンス費用がかかる
実際後悔したポイントもまとめてみました。
- どうしても見た目が安っぽく感じて恥ずかしい
- 使い勝手が悪かったり住んでから不具合が出た
- かえってメンテナンス費用がかかる
利便性や満足度では注文住宅の方が高いので、住んでみて後悔する人はいます。
でも必要以上に恥ずかしいと思うことはありません。
子育てにお金を使うことを優先したり、土地探しの時間や手間を省くスピード感が重要と思う人もいます。
実際後悔したポイントに注意しながら対策をして、快適なマイホームを手に入れてくださいね。
元建設会社の設計部で意匠設計に携わっていた一級建築士。現在は集合住宅や商業施設などの企画・設計を担当する傍ら、ハウスメーカーや建築サイトの記事設計や監修・運営業務も行う。ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やCASBEE(建築環境総合性能評価システム)といった省エネ基準にも精通しており、専門的な知見から記事を執筆している。