この記事では持ち家はデメリットだらけなの?という疑問に一級建築士がお答えしてます。
結婚や出産のタイミングで持ち家を考える人が多いけど、そんなにデメリットがあるならちょっと不安よね・・・。
よく言われる持ち家のデメリットは、やはり金銭面の負担が大きいことです。
何千万円もの買い物ですから、住宅ローンや固定資産税などが35年も続くとなると躊躇しますよね。
他にも「簡単に引っ越せない」「資産価値が下がる」など否定的な意見が多いです。
持ち家派と賃貸派ではそれぞれ主張がありますが、どちらが正解というのは人それぞれで違います。
持ち家のメリット・デメリットの他に賃貸のメリット・デメリットもまとめましたので比較してみて下さい。
どんな人が持ち家にむいているかも解説しますので、参考になると幸いです。
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↓
- 資格:一級建築士
- 仕事:元ゼネコン設計部
- 学歴:京都大学大学院工学研究科建築学専攻 修了
- 趣味:ハウスメーカー巡り
持ち家はデメリットだらけと言われる理由
持ち家はデメリットだらけと言われる理由にはどんなものがあるかまとめました。
- 住み替えしづらい
- 利便性が低い
- セキュリティ面の不安
- メンテナンス費用がかかる
- 資産価値が下がりやすい
- 高齢者には住みにくくなる
他にも「仕事辞められない」「離婚できない」などで持ち家をデメリットと考えている人もいました。
自分や家族の人生にかかわることですので、早速詳しく解説していきますね。
住み替えしづらい
持ち家はデメリットだらけと言われる理由1つ目は、住み替えしづらいことです。
転勤や子供の進学で引っ越したい時、持ち家だとすぐに動けないというデメリットがあります。
隣に苦手なタイプの人が引っ越してきた、などトラブルが起きても気軽に住み替えられません。
売却するにしても、手続きや相手探しなど手間がかかるし時間もかかります。
その間もローンや税金は払わなくてはならず、引っ越し先とダブルで費用が発生してしまうことも!
持ち家が重荷に感じる、というつらい状況になる可能性ありです。
利便性が低い
持ち家はデメリットだらけと言われる理由2つ目は、利便性が低いことです。
駅近・コンビニが近いなど条件の良いものは大体賃貸が多く、戸建ては郊外の住宅地に集まっています。
学校・病院・スーパー・役所などが徒歩圏内にないことも多く、自転車・バス・自動車の利用が必要です。
通勤通学時間に負担がかかるのに加え、時間帯によっては事故や犯罪のリスクも上がります。
立地条件で利便性が低いのはかなりのデメリットです。
セキュリティ面の不安
持ち家はデメリットだらけと言われる理由3つ目は、セキュリティ面で不安があることです。
空き巣に狙われやすい・プライバシーが守りづらいなど不安や負担になることが出てきます。
防犯カメラなどのシステム導入の検討や、災害に備えた保険への加入なども必要です。
賃貸なら管理会社や大家さんがやってくれる部分でもあるので、すべて自己責任はデメリットになります。
メンテナンス費用がかかる
持ち家はデメリットだらけと言われる理由4つ目は、メンテナンス費用がかかることです。
大きな修繕費がかかるものとしては屋根や外壁がありますが、細かい修理もその都度自己負担になります。
しかも50万円〜100万円単位での高額出費なので、あらかじめ積み立てておくなど準備が必要です。
劣化・設備の故障などハウスメーカーの保証期間中でも有料の場合があるため、コスト面ではやはりデメリットになります。
賃貸の場合は大家さんや管理会社が費用を負担しますし、業者の手配などもやってくれます。この辺も持ち家の弱点ですね。
資産価値が下がりやすい
持ち家はデメリットだらけと言われる理由5つ目は、資産価値が下がりやすいことです。
住宅そのものは住み始めたら資産価値が下がりますが、地震や台風などでダメージを負っても下がります。
また将来持ち家の売却を考える場合、建てた場所によっては売れにくいことも知っておきましょう。
駅から遠い・日当たりが悪い・人気エリアではないなど条件が良くないと難しいので、場所選びもポイントですね。
長い間ローンを払い続けても資産価値が下がるし、固定資産税など費用もかさむので経済的ではないという意見もあります。ただ、ローンが終わっても住み続ける人はローン分の固定費が減ります。老後もずっと家賃を払い続けるより経済的ですよ。
高齢者には住みにくくなる
持ち家はデメリットだらけと言われる理由6つ目は、高齢者には住みにくくなる点です。
階段の上り下りはきつくなるし、段差があると掃除もしにくくなります。
ちょっとした修繕でも屋根の上や2階の壁などは危険なので自分でできません。
庭木の剪定や落ち葉などの処理、出かける時は家中の施錠の確認もあります。
住宅街からスーパーまで遠い場合は、近くの賃貸に引っ越したほうが暮らしやすいかもしれません。
持ち家のメリットは?
持ち家のデメリットばかり取り上げてきましたが、もちろんメリットもあります。
- 騒音トラブルがない
- 自由度が高い
- リフォームしやすい
- 土地付き
- 相続・賃貸・売却が自由
注文住宅なら間取りもデザインも自由に決められるので、快適な住心地も手に入ります。
まわりへのストレスを感じることなく生活できる持ち家のメリット、早速一つずつ見ていきましょう!
騒音トラブルがない
持ち家のメリット1つ目は騒音トラブルがないことです。
集合住宅の場合賃貸でも分譲でも、隣や上下の世帯同士の騒音トラブルはよく聞く話です。
お互い気を使いながら静かに暮らすのに比べて、戸建て持ち家はその心配がありません。
現在の戸建て住宅は遮音防音性が高いので、2階で飛び跳ねようが遅くまで騒ごうがそれほど気にならない程度です。
ピアノの練習をしたり友達をたくさん呼んだりもできるので、子育て世代には嬉しいですね。
自由度が高い
持ち家のメリット2つ目は自由度が高いことです。
広く取った庭で家庭菜園を楽しむ・動物を飼うなど、敷地内でできることはたくさんあります。
子どもと一緒に花壇を整えたり、プールやバーベキューなどでわいわいやるのも楽しいですね。
賃貸や集合住宅では制約があってできないことも、戸建て持ち家なら可能になるメリットは大きいですよ。
リフォームしやすい
持ち家のメリット3つ目は、リフォームしやすいことです。
リモートワーク用のスペースがほしい・壁を外して広いリビングにしたいなども自由にできます。
家族構成やライフスタイルに合わせてその都度変えられる自由さは持ち家ならではのメリットですよね。
万が一怪我や病気などでリフォームが必要な場合も、自治体によって補助金や助成金でのリフォームが可能です。
元気なうちは好きなように間取りを使い、あとあと使いやすくリフォームできるのはすごく便利ですよ。
土地付き
持ち家のメリット4つ目は、土地付きだということです。
これは戸建て持ち家の場合ですが、家を建てると同時に土地も購入するので資産として持つことができます。
住宅自体は資産価値が下がるかもしれませんが、土地は条件次第で上る可能性もあるんです。
駅や高速道路など交通整備がされたり、人口が増えて再開発が進んだりする場合地価が上がります。
持ち家を担保に融資を受けたりも可能なので、資産として土地を保有できるのは大きなメリットです。
相続・賃貸・売却が自由
持ち家のメリット5つ目は、相続・賃貸・売却が自由にできることです。
子供世代が相続した実家をリノベーションして起業したり、二世帯住宅にすることもできます。
土地は一旦手放すと再度入手は困難なので、持ち家ごとそのまま資産として持っておくこともありです。
売却すれば維持費や固定資産税などを支払う必要がなくなり、売却益も得られて助かりますね。
賃貸にする場合は別の手続きが必要ですが、有効利用する方法としては選択肢の一つです。
基本的にローンの残債があると賃貸には利用できません。融資ローンなど金利の高いローンに借り換えが必要になりますので、金融機関に個別に相談してみて下さい。
持ち家を購入する時の注意点
メリット・デメリットを考えたうえで持ち家がいいと決めたら、購入する時に注意点があります。
持ち家なんて買わなきゃよかった!と後悔しないために、3つのポイントをおさえておきましょう。
優先度を決めておく
持ち家を購入する時の注意点1つ目は、優先度を決めておくことです。
せっかく戸建てを購入するのですから、家に求める優先度を決めておくと選びやすくなります。
「思いっきりガーデニングを楽しみたい」「庭でバーベキューしたい」など戸建てならではの理由を見つけましょう。
注文住宅にするなら「キッチンを広くしたい」「趣味の部屋を持ちたい」なども可能です。
デメリットよりもメリットが上回れば、戸建て住宅を購入することに迷いはなくなります。
環境を見極める
持ち家を購入する時の注意点2つ目は、建てたい場所の環境を見極めることです。
事前に調べられることもたくさんあるので、後悔しないためにもチェックしておきましょう。
- 地盤など災害リスク
- 住民の意識や年齢層
- 町の雰囲気や治安
- 商業施設や道路などの騒音
- 自治会・子供会などの交流
人口増加が見込まれたり将来開発される予定があると、固定資産税が上がるリスクがあります。売却するにはいいですが、住み続けるには負担になってしまいます。
コスト面の計画を練る
持ち家を購入する時の注意点3つ目は、コスト面の計画を練ることです。
戸建て住宅を購入する場合、様々な費用がかかってきます。
生活と返済を両立させるためにも、準備や計画が必要です。
購入時・購入後に必要な費用として主なものを一覧にしてみました。
購入時
- 住宅購入費
- 土地代
- 不動産取得に必要な手数料(仲介・登記・印紙・税金など)
- 住宅ローン契約に必要な費用(印紙・融資手数料・団信・保険など)
購入後
住宅ローン | 毎月 |
固定資産税等 | 毎年 |
保険料(火災・地震等) | 更新時 |
メンテナンス費 | 随時 |
メンテナンス費は、定期的に修繕が必要な壁や屋根など大きなものも含まれます。
その他全館空調付きの戸建ての場合、数ヶ月単位で交換フィルターなどが必要です。
同じ持ち家でも分譲マンションの場合は、この他に駐車場代・修繕積立費・管理費などもかかります。ペットの有無、自治会があるかどうかでも別で徴収される場合があるので、コストはかかりますね。
賃貸のメリット・デメリット
持ち家のメリット・デメリットを理解すると「じゃあ賃貸の方がいいの?」という考えも浮かびますよね。
ではここで、賃貸だとどんなメリット・デメリットがあるかまとめてみました。
- 住宅ローンなど借金を負わない
- 住み替えがしやすい
- 最新の住居設備を備えている
- メンテナンス費用がかからない
- 収入に合わせて住居を選べる
- 家族の増減に対応しやすい
- ずっと家賃が発生する
- 定期的に更新料も発生する
- 勝手に間取りなどを変えられない
- 資産にはならない
- 広い間取りの物件が少ない
- 急な立ち退きの可能性がある
- 高齢者だと借りにくい
賃貸はとにかくフットワークの軽さが最大のメリットです。
収入が減ったら安い家賃のところに引っ越し、家族の増減でそれに合った部屋に引っ越せば済みます。
賃貸のコスト面で言えば、入居時に敷金・礼金・仲介手数料がかかります。退去する際も修繕が必要な箇所があると費用がかかる場合がありますね。
逆に一生ずっとそこに住み続けることができるという保証はありません。
建物の老朽化やエリアの再開発など、状況によっては立ち退かなくてはならないことはデメリットです。
そしてその時もしあなたが高齢だった場合、次に住む場所が借りにくくなることも考えられます。
- 年金で家賃をきちんと払えるか
- 体調の急変や孤独死などの可能性
持ち家にむいている人・むいてない人
ここまで持ち家と賃貸のメリット・デメリットを紹介しました。
では、持ち家にむいている人・むいてない人の特徴をあげましたので参考にしてみて下さい。
持ち家にむいている人
- 収入が安定している
- 転職する気がない
- 家族が多い(増える予定)
- 子供をのびのびと育てたい
- 傷やよごれなど気にしないで生活したい
- DIYが好き
持ち家にむいていない人
- 収入面でローンを組みにくい
- 年齢的にローンが厳しい
- 仕事などで引っ越しが多い
- 転職・起業などの予定がある
- 離婚を考えている
- 近所付き合いは苦手
- 同じ場所だと飽きる
人付き合いやライフスタイル、子育ての仕方で持ち家のメリットを活かせるタイプの人もいます。
経済的な理由や家庭の事情などで不向きな人もいるので、どっちのタイプかチェックしてみてくださいね。
持ち家はデメリットだらけ?まとめ
今回は持ち家はデメリットだらけ?なのかどうかを解説してきました。
持ち家のデメリットをおさらいすると、以下の6つです。
- 住み替えしづらい
- 利便性が低い
- セキュリティ面の不安
- メンテナンス費用がかかる
- 資産価値が下がりやすい
- 高齢者には住みにくくなる
持ち家のメリットや賃貸のメリット・デメリットもそれぞれ紹介しました。
どっちが良くてどっちが正解ということはないので、多角的に考えてみることをおすすめします。
自分にとって譲れない点・妥協してもいい点など優先順位をつけて書き出してみましょう。
お金のことや家族のことなども含めて、こっちが合う!という方を選んでくださいね。
元建設会社の設計部で意匠設計に携わっていた一級建築士。現在は集合住宅や商業施設などの企画・設計を担当する傍ら、ハウスメーカーや建築サイトの記事設計や監修・運営業務も行う。ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やCASBEE(建築環境総合性能評価システム)といった省エネ基準にも精通しており、専門的な知見から記事を執筆している。