この記事では、今家を買う人が信じられないと言われているのはなぜかについてお答えしていきます。
結婚したり子供ができたり、マンションの更新時期や年齢の節目など家を買うタイミングってありますよね。
今はやめたほうがいいとか聞くけど、どうして今家を買うのがダメなの?
「信じられない」「大変なことになるよ」と言われると、買おうとしていたのに一気に不安になってしまいます。
一般的には経済状況がまだまだ不安定なことが一番の理由です。
その他にもなぜ家を買うことが5年後10年後には大変なことになるのかについても一級建築士が解説していきます。
5年後10年後には大変なことになる理由がわかれば、それを回避する方法も見つかります。リスク対策もご紹介しますので、ぜひ参考にして下さい。
家を資産として捉え、いずれ売却する事も検討しつつ購入する人にもぜひ読んでいただきたいです。
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↓
- 資格:一級建築士
- 仕事:元ゼネコン設計部
- 学歴:京都大学大学院工学研究科建築学専攻 修了
- 趣味:ハウスメーカー巡り
今家を買う人が信じられないと言われているのはなぜ?
今家を買おうとしている人が「信じられない」と言われている理由は3つあります。
- 経済不安が続いているから
- 実質賃金が低下しているから
- 買っても損をするから
主に経済的な面でのデメリットが多いので、今家を買う事に否定的なのです。
ひとつずつわかりやすく説明していきますね。
経済不安が続いているから
今家を買う人が信じられないと言われている理由1つ目は、経済不安が続いているからです。
それによる不動産の価格も、高騰している状況がずっと続いています。
- 円安で建築資材が高騰している
- 輸送にかかる燃料価格の高騰で物価高
- 物価高で地価も上昇
- 低金利なので物件を購入しやすい
- 需要が増えれば不動産価格も上がる
一方で就業形態として終身雇用制度も崩壊し、AIの導入による失業などを考えると明るい見通しが立ちません。
支出は増え収入は不安定となると、常に変化する不動産市場や周辺環境に振り回されてしまいます。
今家を買う人が信じられないと言われるのは、景気が安定しないのにリスクが大きすぎるからです。
実質賃金が低下しているから
今家を買う人が信じられないと言われている理由2つ目は、実質賃金が低下しているからです。
厚生労働省の発表では19ヶ月連続でマイナスとなっていて、今のところ上昇の兆しは見られません。
もらう金額に対して出費が増えているので、今まで通りの給料では厳しいと言えます。
物価高は依然として続いているし、今後増税の動きももっと大きくなるでしょう。
経済的負担がますます増える中、さらに住宅ローンを組むことが信じられないのです。
買っても損をするから
今家を買う人が信じられないと言われる理由3つ目は、買っても損をするからです。
不動産価格が上がっている今の状況では、高い価格で住宅を購入することになってしまいます。
それはローンとしてついて回り、何年か後に売却するときには価格が下落する可能性がかなり高いのです。
金利が安いからという理由でローンを組み、わざわざ高値の今家を買う人が信じられないのは当然かも知れません。
今家を買う人が5年後10年後には大変なことになる理由とは?
では今家を買う人が5年後10年後に大変なことになる理由とは何でしょうか。
主な理由として次の5つがあります。
- 資産価値が下がってしまう
- 金利が上がってしまう
- 買い手が減ってしまう
- 自然災害のリスクが上がってしまう
- ライフスタイルが変わってしまう
家を買う時は今の経済状況やタイミングなど、他にも細かく考えることがたくさんありますよね。
でも5年後10年後の自分や家族、社会や環境がどんな風に変化しているかを想像することは大切です。
大変なことになるかもしれない理由を一つずつ見ていきましょう。
資産価値が下がってしまう
今家を買う人が5年後10年後には大変なことになる理由1つ目は、資産価値が下がってしまうことです。
住み続けるからには家も経年劣化しますし、技術の進歩で設備もすぐに古くなってしまいます。
国土交通省の調査では、家の資産価値は5年以内に3割程度落ちるという結果が公表されました。
これが10年後になると大変なことになるのは想像できますよね。
金利が上がってしまう
今家を買う人が5年後10年後には大変なことになる理由2つ目は、金利が上がってしまうことです。
現在の低金利状態は稀に見る低さなので、これ以上下がる可能性はほぼありません。
ということは今後上がった時、変動型金利の場合は負担が確実に増えます。
変動金利は半年に1度金利が見直されるので、そのタイミングで支払額が上がってしまうこともあるんです。
5年後10年後返済額が急増すると、ほんとに大変なことになってしまいます。
買い手が減ってしまう
今家を買う人が5年後10年後には大変なことになる理由3つ目は、買い手が減ってしまうことです。
いまだ少子化を止める展望が見られないことからも、絶対数が減るので当然買い手も減ります。
さらに高齢化が進むことで現役世代への負担は重くなる一方で、家を買う余裕も生まれません。
家を買いたいと言う人の数と買える人の数が減るので、今家を買うと売却する時に大変なことになってしまうのです。
自然災害のリスクが上がってしまう
今家を買う人が5年後10年後には大変なことになる理由4つ目は、自然災害のリスクが上がってしまうことです。
ここ数年の猛暑や台風・洪水の災害の大きさからしても、自然災害は年々巨大化している傾向にあります。
南海トラフや首都直下型地震への警戒も言われ続けている中、将来の環境の変化は改善される見込みがありません。
今家を買う人が5年後10年後大変なことになるのは、災害によって資産をすべて失ってしまうかもということです。
ライフスタイルが変わってしまう
今家を買う人が5年後10年後には大変なことになる理由5つ目は、ライフスタイルが変わってしまうことです。
リモートや在宅ワークが増えてきて、間取りや家のスペースの使い方には様々な対応が必要になりました。
他にも、ライフスタイルが変わるきっかけと生活の変化の可能性には次のようなものがあります。
- 昇進・転勤・・単身赴任しない場合は引っ越し
- 子供の進路・・通学に便利な地域への引っ越し
- 親の介護・・リフォームの必要または引っ越し
いろいろな状況に対応するために「この家をどうするか」がその都度問題になってしまうのです。
状況に迅速に対応できない原因の一つとなり、5年後10年後大変なことになると予測されます。
今家を買う人が5年後10年後のためにとるリスク対策
ここまで今家を買うと大変なことになる理由を解説してきましたが、それでも買う場合どうしたらいいのでしょうか。
今家を買う人が5年後10年後のために必要なリスク対策は次の3つです。
- 無理のないローンを組む
- 環境や条件のいい物件を選ぶ
- 築年数や立地などにこだわる
生活の質を下げずに住める家を購入するために、どれも必要なポイントです。
売却するとしても資産価値が下がらない家や、避けるべき条件も合わせて解説していきます。
無理のないローンを組む
今家を買う人が5年後10年後のためにとるリスク対策1つ目は、無理のないローンを組むことです。
現在の低金利が終わり今後金利が上がったときのために、余裕あるローンを組むことは必須条件と言えます。
- 年収の6〜7倍の借入額にする
- 金利の低い銀行を選ぶ
- 返済期間が長いローンにする
- 他のローンがあれば完済しておく
- 65歳までには完済する
家族構成が変わったりますます物価高になったりと、返済期間中の経済的な不安はつきものです。
収入の変化や金利の動向も見据えつつ、家計に無理のない返済計画を立てて下さい。
環境や条件のいい物件を選ぶ
今家を買う人が5年後10年後のためにとるリスク対策2つ目は、環境や条件のいい物件を選ぶことです。
- 通学→学校や公園に近い
- 通勤→駅近・渋滞しない
- 生活→スーパー・銀行が近い
- その他→病院・バス停などに近い
防犯意識が高いのもリスク対策として重要視するポイントです。
地域ぐるみでのサポート体制があれば、子育てもしやすく安心して住むことができます。
治安の良さは5年後10年後に家を売却する場合にも好条件になり、もちろんリスク対策としても有効です。
最近言われている2025年問題では、団塊の世代が全員後期高齢者になった後の社会の変化がいろいろ想定されています。介護施設に入ることで空き家が増えたり、周辺の公共サービスが縮小される可能性もあります。今家を買う人が信じられないと言われる理由には、この2025年以降の状況を見てから判断してもいいのでは?という意味があるのです。
築年数や立地などにこだわる
今家を買う人が5年後10年後のためにとるリスク対策3つ目は、築年数や立地などにこだわることです。
すべてクリアできる物件はなかなかありませんが、参考までにいくつかポイントをあげてみました。
築年数が浅いところ
築年数が浅い物件はリフォーム代も少なく済むし、設備や機能が高性能なものが多いです。
まだまだ資産価値が高いので、長く住むことも売却するときにも好条件となります。
地盤がしっかりしたところ
地盤がしっかりしたところ・少し高い場所にあるところなど、万が一の災害に備えられる場所を選んで下さい。
これから住む地域にはどんな災害が起きやすいかをあらかじめ調べておくのも対策の一つです。
国交省が公開しているハザードマップポータルサイトを参考に、地震や水害などのリスクが高い場所はなるべく避けましょう。
5年後10年後家が少々経年劣化しても、しっかりした場所なら被害を最小限で食い止めることができます。
今家を買うなら、地盤も災害対策もしっかりしてある住宅を選びましょう。
人口減少が極端に進んでいないところ
人口減少が極端に進むと、公共サービスが減らされてしまったり終了してしまう場合があります。
商業施設の撤退やそれに伴う地価下落などに加え、空き家が中古物件となって増えると物件価格も下落するでしょう。
今家を買う人が5年後10年後の利便性や売却時のことを考えるなら、現状と今後の見通しを検討してみてください。
地域ごとの「立地適正化計画」の区域を選ぶのも一つの方法です。居住や都市機能(医療・商業施設など)がエリアごとに分けられ、交通機関や生活サービスを快適に受けられるからです。利便性がいいので資産価値も下がりにくくなりますよ。
交通量が多すぎないところ
交通量が多い場所は騒音や排気ガスなどの環境汚染が問題になります。
窓を開けられない・洗濯物が外に干せないなど生活に影響が出るので、なるべくなら避けるべきです。
住心地の悪い家は資産価値も低くなりがちなので、売却の際にも不利になってしまいます。
今家を買う人が5年後10年後のためにとるリスク対策は、交通量が多すぎないところを選ぶことです。
今家を買う人が信じられない。5年後10年後には大変なことになる理由を一級建築士が解説まとめ
今回は今家を買う人が信じられないと言われる理由と、5年後10年後には大変なことになるのはなぜかを解説してきました。
5年後10年後のことですのであくまでも予測ですが、可能性は高いです。
後々売却を考えるなら、場所や条件次第で資産価値に大きく影響が出るので慎重に選びましょう。
大事なことは、買うリスクと買わないデメリットをよく考えることだと思います。
優先するべきは何かを見極め、購入するかどうかを決めてくださいね。
元建設会社の設計部で意匠設計に携わっていた一級建築士。現在は集合住宅や商業施設などの企画・設計を担当する傍ら、ハウスメーカーや建築サイトの記事設計や監修・運営業務も行う。ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やCASBEE(建築環境総合性能評価システム)といった省エネ基準にも精通しており、専門的な知見から記事を執筆している。